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Songs in Crimson / SATAN
失恋船長 ★★★ (2025-09-30 09:59:46)
オープニングナンバーから度肝抜かれました。プレスラッシュメタルと呼ばれたNWOBHM。完全にそのイメージで幕があけた。正直、ブライアン・ロスのパフォーマンスには、やや不満が残るのだが、チョイテンポ速すぎてうたいきれていない。そんな高齢者チームながら二曲目以降は従来のイメージにそうようなサタンワールドが全開。
攻撃的なオープニングナンバーで聞き手を仰け反らせてからのNWOBHMサウンドによる乱れうち、雷鳴の如く激しいリズムを叩きつける邪悪なる音像、その強靭なリズム隊はサタンの代名詞、そして阿吽の呼吸を紡ぐ、二本のギターは今なお刺激的な旋律を奏で聞き手を魅了。

この手のスタイルを堅守する時代錯誤も甚だしい彼らだが、けして過去にしがみついていない。むしろ、頑なに自らが信じる世界で圧倒的なパフォーマンスとアレンジ力で、今なおNWOBHMスタイルで魅了し続けるのだ。
これは離れ業である。出尽くし感のあるスタイルを、自らのセルフパロディに陥ることなく生産する勤勉さ。その伝統美溢れる音楽性は唯一無二の個性を今なお堅守している。

NWOBHMという言葉において彼らほど似合うバンドはいない。ブライアン・ロスにも老いの足音は聴こえるが、あの憂いのある沸騰型ヴォイスは魔力を帯び中毒性を誘発。この威嚇的なサウンドの中で、独自性を高めている。
それにしれも、バンドサウンドに一切の衰えというかアイデアの枯渇を感じない。これだけ長きにわたり活動を行い、いまだにテンションの高い演奏と妖しげなメロディ、オールドスクールなのだが、もうそういう事じゃない。

SATANはSATANなんだという音をもっている強みなんだろう。テンション高いは70前後のおじいさんの、やることじゃないよね。恐れ入りました。これで国内盤がスルーなの?世も末だよ。メタルですよ。

少々明るめの曲があったりと意外性の山倉でしたよ。なんでメイデンと、あんなに人気の差が有るのだろう?負けてないよね。

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